ケージ(座敷亀の水場)はどうすればいいの?

座敷亀、といってももともと池や川に棲むヌマガメの場合は、部屋に放し飼いにするといっても水場はどうしても
必要です。水場をどのように確保するかは、お座敷飼育の一番の課題といえそうです。

水場を作る場所を選ぶ際のポイント
水場となるケースをどこに置くかはとても大切です。
自分で頻繁に入ってもらう水場を作るため、水場は「カメが好む場所」に設置しなければなりません。
カメが好む場所は人間が考えているのとは大きな違いがあることが多いです。
人間から見れば「どうしてこんな場所が?」と思うような薄暗くて狭い場所が意外と安心するようなのです。
カメはとても臆病な動物。窓辺などの明るくて開放的な場所や人の往来の多い場所を嫌がります。
カメが不安を感じるような落ち着くことができない場所にお水場を設置してしまうと、すぐに出てきてしまい、
なかなか水に入ってくれなくなります。その結果、水分不足や脱水症に陥ってしまう危険もありますので、
カメさんの行動をよくよく観察して、気に入った場所にお水場を作ってあげるようにしてください。
入りたくなったらいつでも自由に入れるように水場はカメの好みそうな場所にできれば数か所作っておくとよいでしょう。
できればお風呂場や洗面所などに設置すると、水換えも楽ですし、水で濡らされたときの対応も楽です。
亀さんは方向感覚がかなりしっかりしているようですから、場所や位置を覚えるのは得意です。
座敷亀生活に馴れて習慣になってくれば、水場のある場所を決めておけば、その場所を覚えて、
必要なときはそちらの方へ向かってくれるようにもなります。今、お水に入りたいんだな、ということが
飼い主にも行動からすぐにわかるようにもなります。
水棲亀は水中でしか餌を飲み込むことができませんので、餌は水に入ったときに食べます。
つまり給水タイム=お食事&トイレタイムになります。決まった場所で餌を与えるようにして、
お水場=美味しいご飯がもらえるところ、というイメージを定着させるのも水場を覚えさせるよい方法です。
餌と結びつくとすぐに場所を覚え、進んで水に入ってくれるようになるでしょう。
ただし、容器が小さい分お座敷用の水場のお水はすぐに汚れます。汚れた水が入った容器は嫌がりますので
お水は頻繁に換えてあげてくださいね。特に夏場は。
自由に住環境を選ぶことができないペットの亀のために、お水場の設置場所を吟味したり、きれいで心地よい
水場を保ってやることは飼い主の勤めです。

水場にする容器は?
カメの大きさに応じて自力で出入りできる容器で、カメが中で方向転換できるくらいの広さがあれば
最低OKです。出入りに苦労しているようであれば、容器を浅めのものにしたり、周りにスロープや足場を
作ってやるなど工夫をしましょう。
リビングなど濡らされては困る場所にどうしても水場を作らなければならない場合は、周りに水をよく
吸うマットなどを敷く必要があります。マットを敷いていても、カメは完全に拭いて出て来てくれるわけ
ではありませんので、見かけたらタオルで拭いてやる必要があることもあります。

水に入るペース
お座敷飼育をして完全に亀の自由に任せたままで放っておいた場合、どこかに潜ってしまって
なかなか姿を現さなくなることがよくあります。そんなときは短い時間でも、定期的に給水をさせる必要が
あります。自ら進んで水に入らないような場合も1〜2時間に一度は飼い主の手で水に戻しましょう。
特に冬場は乾燥に要注意です。
給水は水分、霧吹きでお肌や甲羅に表面的に水分、潤いを与えればよい、と考えられる方も多い
ようですが、表面的に潤いを与えるだけではほとんど意味はありません。本来は水中で暮らしている
ヌマガメに水分を補給するには、体の内側からじゅうぶんに水分を吸収させ、体内に水分を循環させ
老廃物の排出をさせなければなりません。そのため必ず一定時間、身体全体をしっかりお水に
つけるようにしてくださいね。
飼い主が外出するときなど、頻繁に水に戻すことができない時は、ちょっと可哀そうに思えますが
自由に出入りできない深い水場に入れておきましょう。

お座敷飼育の水場、長所と欠点
小さな容器は軽くて、水換えや掃除の手間がかからずとても楽です。
水棲動物のヌマガメにとって、きれいなお水は何よりの健康の元。頻繁に水を入れ換えいつもきれいな水を
キープしてやれるのは大きな利点です。もちろんお座敷飼育用の水場は容器が小さい分、すぐに汚れます。
ペットの亀は 自由に住環境を選ぶことができません。カメは汚れた水を嫌がりますので、水は頻繁に換えて
あげてくださいね。特に夏場は。
一方、欠点は水場ではじゅうぶんな運動ができないことです。運動不足はお水の外に出たときに補ってもらったり
時々は大きめの容器に水を深く張って泳がせて解消します。

水場・わが家の場合
@ こちら(「夏の水場のくふう」)は2014年夏現在のわが家の夏の水場の様子です。
   夏場はベランダで過ごす時間が長い亀たちのための屋外水場です。

A こちら(「亀の暮らしアルバム・Vol. 4」) は、2010年7月に天国へ行ってしまったわが家の
   お座敷亀・かめみが愛用していた水場の様子。かめみの水場は100円ショップで手に入れた、
   キッチン用食器水切りかごの受け皿。これをバスルーム、や洗面所に常に設置して出入り
   自由の状態にしていました。そして、お天気のよい日はこの容器をベランダや日の当たる
   窓辺にも置きました。中に入ると方向転換をするのがやっとというくらいのこんな小さな容器ですが
   この狭さががかえって落ち着いて心地よかったようで、かめみはここが大のお気に入り。
   出入りは完全に自由なのに、特に夏は、この中でほぼ一日中暮すことも多く、外に出しても
   意地になったようにすぐこの水場に戻るほどでした。

最後に
絶対に忘れてはいけないのは、いくらお座敷飼育をしていても水棲亀であるということ。
水はすべての生き物にとってとても大事なものですが、特に水棲亀にとっては命です。
水棲亀は水の中で常に体内に水を循環させながら栄養を吸収したり、老廃物を排泄したり、生命活動を
行うのが本来の自然な姿ですから、水の外にいる時間が長すぎると、この活動がスムーズに行われなくなり
腎臓や肝臓など、内臓に負担がかかります。また水分不足からさまざまな障害が出ることが
あります。お座敷飼いにいくら馴れても、水棲動物であるということは絶対忘れないようにしましょう。

あと、注意が必要なのが高齢の亀。
人間も老化とともに身体の水分が減ったり、お肌の潤いが失われたり、ということがありますが
カメも歳と共に身体の保水力が低下してくると思っていた方が無難です。
若い頃には全然平気だったことも歳を取ってくるとる負担になってきますので
高齢になったらお座敷飼育する時間も短くしましょう。
                                                             (2014年8月20日更新)

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