<心配な卵詰まりについて>

は虫類のメスは「卵詰まり」が危険といわれます。産卵するメスのかめさんを飼育なさっている方に
とって「卵詰まり」は一番心配なことではないでしょうか。

これまで元気に動きまわっていた成体のメスのかめさんが、急に元気がなくなりエサを食べなく
なったという場合は、一応”卵詰まり”を疑ってみたほうがよいようです。
もしかして卵詰まりかな?と思ったら、一刻も早くかめさんに詳しい獣医さんに診てもらってください。

卵詰まりを予防するために普段から気を付けておくとよいと思うことを以下に書いておきます。

@ 栄養状態をよくしておくこと。
   産卵期には特にカルシウムとビタミン不足にならないように気を付けておきましょう。
   産卵期のカメさんにとって特にカルシウムは卵の殻を作るために必要です。ビタミンとカルシウムは
   卵詰まりで動物病院を受診したとき、治療として必ず投与されるようです。
   レプトミンやカメプロスなど、信頼できるカメ用のペレットフード、あるいは金魚や鯉の餌などを
   主に与えていれば心配ありません。

A 運動不足にならないように気をつけること。
   私は、陸での運動よりも水中での運動をさせるよう心がけています。
   あくまでも私の考えですが、水中で思いっきり泳いだあと大量に排便するようなことがよく
   あることからヒントを得て、卵も同じように排出がスムーズになるのではないかと思い、
   衣装ケースの水を時々は普段より深めに入れて、泳ぐような水中での運動ができる
   ようにしています。

B 適度な日光浴をさせること。
  産卵時期が近づくと、できるだけライトではなく自然な太陽光での日光浴をさせましょう。
  太陽光には身体を温める作用もあり、産卵を促すのに役立ちます。
  摂取したカルシウムの代謝のためにも、紫外線が必要です。
  ただし、活動的な産卵前は、脱走されやすいので屋外に出すときは気を付けておきましょう。  

C 気温や水温の変化に気を付けること。
   これはとても大事なことです。体温を自力で作ることができないカメにとって、気温、水温の
   ちょっとした変化が人間が考えている以上に影響を与えます。お天気の変化による温度変化、
   時間帯による温度変化など人間には気付きにくいような小さな温度変化もカメにはデリケート
   に影響します。エアコンを使っている部屋で飼育している場合も注意が必要です。
   気温や水温が下がり、体温が下がると代謝も下がり、産卵することもできなくなってしまいます。
   特に一旦産卵活動が始まったあと、無事産卵が終わるまでは温度の変化に気を付けておきましょう。
   夏だからといって決して気を抜かないように。
   たとえば、産卵活動が続いている時期に急に涼しくなったり、長雨が続いたりしているようなとき。
   こんなときは、ぬるま湯で温浴させてみたり、真夏でも思い切ってヒーターを使って、
   ちょっと暑すぎるかな?と思うくらいの温度(30度以上)に保ってみるとよいかもしれません。
   
D 冬は思い切って本格的に冬眠させてみる。
   本当のところはよくわかりませんが、冬に本格冬眠をさせるようになったら、産卵がスムーズに
   なった、というお話を時々耳にします。
   繁殖をさせるためにへあ冬しっかり冬眠をさせることが必要だといいますし、暖冬などの異常気象が
   カメの身体を惑わせ、調子を狂わせて卵詰まりの原因なってしまうことがあるともいいます。
   つまり、冬眠には繁殖や産卵に関わるホルモンを分泌させる役割があるのかもしれません。

また、カメさんも人間と同じ。ストレスがたまらないような生活環境を整えてやることも大切です。

なお、レントゲン検査ではわからないこんな卵詰まりもあります。
レントゲンに映らない卵胞が詰まっているそうで、特にオスと接触のないペットのカメにはよくあるそうです。
過剰に心配しすぎることはありませんが、動物病院で、レントゲン検査をしてもらって卵は持っていないと
診断されたはずなのに、まだ産卵前のようなしぐさが長く続いている、という場合には、改めて亀の知識が
豊富な獣医さんに診てもらうようにしてください。

ホルモンの関係で、たまごを持っていない場合にも産卵前のようなしぐさを始めることが
あるようですが、その場合、その産卵前のようなしぐさはやがて(1〜2か月くらい)で治まります。
あまり長く続く場合には卵を持っていることを疑ってみる必要があります。カメの知識が豊富な
獣医さんに診てもらうようにしてください。

愛亀さんの様子が普通のことなのか、異常なのかをしっかり見分け、異変があったときは少しでも早く気付いて
あげられるよう、普段からよく観察しておいてあげてくださいね。

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