産卵活動時に役立つアイディアA

☆悲しいお知らせ☆
こちらの情報を提供してしてくれましたダラちゃんは、その後まもなく事故のため2010年7月15日、
天国へと旅立って行ってしまいました。
ダラちゃんが生きた証として、このぺージが末ながくいつまでも後輩亀さんのために役立って
くれますようにと願っています。
素敵な情報を残してくれたダラちゃん、ありがとう! 天国で幸せに暮らしてね。
尚、こちらのページにはママさんがダラちゃんのご供養になればと描かれた素敵な絵を紹介
させていただいております。


マンションで産卵期の亀さんを飼育している飼い主にとって産卵はほんとうに憂鬱ですよね。
床をごろごろ歩かれて階下のお宅に響かないだろうか、とハラハラ。そしてベランダに出せばご近所の
ことが気にかかるし、どのような産卵場を作ればよいのかということにも頭を悩ませます。

そんなマンション住まいの飼い主さんのために、今回は室内ではなく毎回お外へ連れ出して上手に
産卵をさせていらっしゃっるダラちゃんのママさまの素敵な体験談と情報を分かち合いたいと思います。

   まずはダラちゃんを紹介します。
   11歳のミシシッピアカミミガの女の子。

   お名前の由来は
   「”だら”しなく暮らしていてもいいのだよ。」
   という意味だそうで、
   「ダラちゃんのことをまるごと受け入れて
   愛しているよ!」という包み込むような
   ママさんの愛情が込められた
   なんとも素敵なお名前です。

ダラちゃんが産卵を始めるようになったのは5年前。
4年前からは産卵の気配が感じられるなるたび、人やお散歩犬のいない早朝や週末に近くの大学
の広場へ連れて行くのが恒例に。3時間ぐらい付き添って実際に産卵をさせたこともあるそうです。
しかし、いつもの大学の広場も今年は草が刈られておらず、
産卵をするダラちゃんにとっては
障害物だらけ。そこで今年は場所を変え、近くのお寺の境内へ連れて行くことにされたそうです。
お寺の境内は犬や子供が入ってくることが少ないのもよいとのこと。
お寺にはお断りを入れ(ただし、お寺の方に亀は無精卵を産むということをご理解いただくには少し
時間が掛かったとのこと。)、ご香料も収めておられるそうですので、きっと仏様もダラちゃんの
産卵を見守り応援してくれてることでしょう。

今年は5月以来、すでに6回もの産卵を終えたダラちゃんですが、そのうち5回をこのお寺の
境内で産卵したそうです。

ちなみに、ママさんはダラちゃんを産卵のためお外に行くとき持参する「お産婆セット」と称する袋を
用意しておられるそうで、その袋の中身は、帽子、人間用おやつと水、ティッシュ、ひまつぶしの読み物、
ダラちゃんの穴掘りをお手伝いするための「力水」(あまり土が硬いときに足元に気づかれないように
少しずつかけてあげるそうです。)、簡易椅子、傘、だそうです。
私が持参するのはいつもカメラと虫除けスプレーだけなのですが、この「お産婆セット」は完璧ですね。
おやつも実際には食べることはないそうですし、読み物も読むことはできないんだそうですが、
持って行くだけでもつい億劫になりがちな産卵のための外出がまるでピクニックのようなちょっと
楽しい行事に変わりそうです。何ごとも長く続けていくためには、できるだけ負担に感じないように
楽しくする工夫が大切ですから、産卵のお供を楽しくする工夫もすごく大事なことだと思います。
ただし、おやつや読書に夢中なりすぎてくれぐれも亀さんを見失ってしまうようなことがありませんように。
亀さんの動きが激しいときは目を離さずしっかり見守っていてあげてくださいね。

ダラちゃんのママさまは産卵を5年間観察し続けて、「ダラちゃんが環境さえ整っていれば、
産気づいたその日に産卵してしまう」ということに気づかれたそうです。
問題のない状態なら
産卵の気配が現れた後、すぐに産卵するそうです。
もちろん3〜4日かかることもあるそうですが、その場合は気温が低いか、あるいは必ず何か
気に入らないことがあるから、なのだそうです。”気に入らないこと”とは、たとえば、
カラスが上空にいてうるさい、雷雨が近いなどの何か邪魔がある、などだそうです。
このことに気づかれてて以来ママさまは、ダラちゃんが産気づくとできるだけいい環境のところに
早く出すように心がけるようになられたそうで、もちろん都合でどうしても適わないときもあるそうですが、
早朝お仕事に行く前と夕方ご帰宅された後、外へ連れて行くよう、可能な限り努力されて
いるそうです。お外に連れ出して1時間ほどうろついて、穴掘りの様子を見せなければ
諦めて家へ戻られるそうです。産む気になっているときは、放して30分以内には舐めるように
地面を嗅ぎ、掘る場所を決めて掘りはじめ産卵するとのことです。

自分の意思で自由に環境を選ぶことができる野生の亀さんは、ダラちゃんのように
産卵の気配が現れるとそれほど時間をおくことなくすぐに産卵しているのかもしれませんね。
ペットの亀の場合は、残念ながら住まいの問題や飼い主の都合などいろいろと制限があり
ますので、野生と同じ完璧な環境を準備してやることは不可能ですが、亀の様子をよく観察して
亀がどのような環境や状態を望んでいるのかを知り、制限の範囲内でできる限りの努力をつづけ、
野生の亀の状態に少しでも近づけていくことが亀の命を預かる飼い主の責任、役割では
ないかしらと思いました。

最後に、今年のこれまでのダラちゃんの産卵記録をご紹介しておきます。今年は例年に比べ産卵のぺースが
異常に早いとのことです。
産卵した日から次の産気づきの日までの期間は9日〜13日です。
尚、今回お寺の境内という同じ場所で5回産卵させたことによって「自分が産卵した場所には
二度と穴を掘らない。」ことにも気づかれたそうです。匂いを嗅いで避けていくそうです。
自分が産んだ卵を守るための本能ですね。こんな姿を目にするといとおしいですし、感動しますね。

産気づき日 産んだ日 卵の数 産んだ場所など
5月 3日 5月 3日  3個 ご実家のお庭
5月16日 5月17日 11個 お寺で 
5月28日 6月 2日 12個 お寺で(日照不足と低温で困りました。)
6月12日 6月12日  8個 お寺で
6月21日 6月24日  9個 お寺で(人間が多忙でした。)
7月 3日 7月 4日  9個 お寺で、(産気づきの日は土砂降り)

さて、ダラちゃんのこの夏の産卵はこれでおしまいでしょうか?
6回もの産卵を立派に終えたダラちゃん、そしてそんなダラちゃんを優しく大きな気持ちで
包み込むように見守りつづけたママさんさん、ほんとうにお疲れさまでした。
そして大変貴重な産卵体験談をありがとうございました。

産卵の習慣やプロセスはこれまでに飼育してきた環境や、亀さんの個性によってそれぞれ違います。
新しい方法を試みようとしても、それぞれの亀さんの記憶のなかには長年の習慣が深く刻まれていますので、
なかなか受け入れてくれない場合が多いです。体験談はあくまでもご参考に。
大切なことは、それぞれのご家庭の事情と、亀さんの個性にあった産卵方法を見つけることです。
みなさんの方法をヒント、参考にしながら、それぞれの亀ちゃんの好み、性格、個性、生活事情・・・に
合ったオリジナルの産卵法を亀さんと相談しながら作り上げていってくださいね。

情報をご提供くださいましたダラちゃんのママさまからのメッセージ
 1 お寺は私有地ですから亀を放すときは、必ず事前にお寺の人に、なぜこのお寺でなければ
   ならないか、説明して許可を得てください。
 2 お寺でなくとも、静かな公園や河川敷なども利用できます。
 3 寺内ではお寺の本堂、お墓部分やお坊さんの自宅スペースへは、亀を絶対近づけない。
   (私は本堂や自宅から離れた隅っこをお借りしました。)
 4 産卵が終了したら、何らかの形でお礼を示しましょう。(私はお手紙とご香料を収めましたが、
   気持ちが通じればお礼の手段はお金に限らないと思います。)

 お寺に限らず私有地に立ち入る場合は必ず所有者の許可を得ましょう。そして使わせていただける
 場合は所有者の迷惑にならないよう気をつけ、使わせていただいたことを感謝しましょう。
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