ヒーターは冬場かめさんを冬眠させない場合に水温を保つために使います。ホームセンターへ行けば 市販されている水中ヒーターにはカメ専用のものと熱帯魚用として売られている物があります。 冬の間も夏同様、かめさんに餌を食べさせ、活動をさせ続けるには、ヒーターを使い 水温を25℃以上に保っておく必要があります。カメさんは自分の体内で熱が作れませんので、 まわりの温度が低いと身体の働きが鈍り、餌を消化したり吸収したりもできなくなってしまいます。 20℃くらいになれば食欲も落ちるようです。生まれて初めて冬越しする小さなかめさんや体力が落ちている カメさんは、ヒーターを使って暖かい環境を作って過ごさせてあげましょう。 まず、ヒーターを使う場合にはいくつかの注意が必要です。 注意1 ヒーターを使う場合はケージはガラス水槽を使うのが無難です。 プラスチックケースですと、高温になって溶ける場合があります。どうしてもプラスチックケースで ヒーターを使うのであれば、ヒーターが床に直接触れないようにする、ワット数の低いものにする、 など、くふうが必要です。 注意2 かめさんはものすごく力持ちです。かめさんががヒーターを壊したり、ヒータの下へもぐりこんだり することがあります。ヒーターにカバーをつけたり、吸盤などで動かされないようしっかり固定したり しておきましょう。動かされてヒーターの一部が水の外に出てしまうと空焚きになってしまい大変危険です。 また、温度調節機能がついていないヒーターにサーモスタットを別につけて使う場合は、サーモスタットの センサー部分も動かされて水の外へ出てしまわないようしっかり固定しておきましょう。センサーが 水の外へ出てしまうと、下記の「水中ヒーターを選ぶA」にも書いてありますように、センサーが水の温度 ではなく外の空気の温度を感知してしまい大変な事故につながります。 注意3 ヒーターの温度調節がうまくいかなくなって、知らないうちに水温が高温になりすぎる場合があります。 可愛いかめさんが茹でガメになってしまっては大変!ヒーターを使う場合は水を多めに入れて おきましょう。温度を一定に保つことができるオートヒーターを使うことをお勧めします。 また、水中にヒーターを入れる以外にも、@ペット用のパネルヒーターをケージの下に敷く、Aケージ内の 空気全体を暖める、あるいはBこの両方を併用する、などの保温方法があります。水中ヒーターに比べると 暖かくなりませんが、健康な亀さんであればこのような方法でもじゅうぶん冬越し可能です。 夏は冷房をしている室内で飼育するとき以外、ヒーターはあまり必要はありません。また、ヒーターは絶対なければ ならないというものではありません。ヒーターを使わなければ、気温が下がれば自然と活動が鈍り、やがて 自然と冬眠状態になる場合がほとんどですが、ケージを置く場所の室温によってはヒーターなしでも、 ほとんど冬眠状態にならずに冬越しする場合もあります。(ちなみに我が家ではくるみを飼育するようになるまで 17年間ヒーターは一度も使ったことがありませんでした。) 爬虫類の飼育には一般に24時間一定の温度を保つよりも、多少温度差を与えて飼育する方がよいそう ですから、ケージの外の気温変化で多少水温が変化してしまうことは気にする必要はないと思います。 水中ヒーターを選ぶ お店に売られている水中ヒータを買う場合、その選び方は大きく次の3種類のパターンにわけることができます。 @ カメ用として売られている水中オートヒーターを買う。 これは自動的に水温を25℃〜26℃くらいに保ってくれるカメ専用水中ヒーターです。 亀は力が強くヒーターを動かしていまう心配が大きいですから、やけど防止のための ヒーター用カバーもセットとなっているものも多いです。 A 水中ヒーターにサーモスタット(温度調節機能)がついたものを買う。 @よりお値段は高めになります。空焚き防止機能がついているものをお勧めします。 ただ、ヒーター、サーモスタット機能が一体になったものを買った場合は、どちらか一方の 機能が壊れただけでもまるごと買い換えなければならないという欠点があります。 ヒーターにカバーがついていない場合は必ず別売りのヒーターカバーを買って使うようにしてください。 B 温度調節機能のついていない水中ヒーターとサーモスタット(温度調節機能装置)を別々に買う。 この場合サーモスタットのセンサーを水中に取り付けて使いますが、まんがいちセンサーを水中に 設置し 忘れた場合、ヒーターが水温ではなく外の気温を感知し、それに合わせて水温をどんどん上げ続けてしまう という大変な事故につながりますので、この方法を選ばれる場合はくれぐれもご注意ください。 センサー、ヒーター共に吸盤などで水中に取り付けるようになっています。水換えやお掃除の後は 吸盤が確実にしっかりと吸着しているか、必ず確かめる習慣をつけましょう。 ヒーターは空焚き防止機能つきのものを選ぶことをお勧めします。必ず別売りのヒーターカバーも 一緒に購入して使うようにしてください。 なお、ヒーター部分とサーモスタットはワンセットとなって売られているものもあります。 冬の加温飼育のためだけであれば、25〜26℃に温度が固定された亀専用ヒーターでじゅうぶんです。 しかし、体調不良で食欲が落ちている場合などは30℃くらいにまで温度を上げなければならないこともあります ので、いろいろな場合のことを考えると、サーモスタットがついて設定温度を自由に変えられるヒーターを買って おく方が便利です。 カメはヒーターの周りの暖かい場所を好んで寄って来ます。ヒーターの上に直接乗ってやけどしてしまうことが ないよう、ヒーターカバーのついていないものを買われる場合には、必ず別売りのヒーターカバーを購入して取り付ける ようにしてくださいね。なお、ヒーターカバーはお買い求めになったヒーターと同じメーカーのもの、ヒーターに合った ワット数用のものをお買い求めください。 水温は水槽内の場所によってどうしてもムラができます。水中温度計を購入して水槽に設置しておくと水槽内の 正確な水温を把握するのに役立ちます。 ヒーターのワット数 お店へ行くと、同じメーカーの同じ種類の水中ヒータでも様々なワット数の商品が並んでいて、どれを買えば よいのか悩みます。ワット数は当然大きいもののほうが暖める能力も高くなります。 どのくらいのワット数のものが適当かは外気温と、ケージの大きさ(水量)よって違ってきます。 あまり大きくないケージの水を温めるのであれば小さなワット数でじゅうぶんですし、 大きなケージを温めたいのであれば、相応のワット数が必要となります。 なお、ガラス水槽ではなくプラスチックケースの場合は、温度が上がりすぎると容器が溶けてしまう心配も ありますので、低めのワット数のものにしておくほうがよいでしょう。 同じ商品であれば、お値段はもちろんワット数が高くなるほど高くなります。 一般的にヒーターは寿命をおおよそ1年くらいと想定して作られているそうですので、高価なヒーターを 購入するよりは信頼できるメーカーの手ごろなお値段のヒーターをこまめに買い換えるようにしたほうが よいかもしれません。突然故障してしまった場合のことも考えて、常に予備のものをひとつ用意しておくのが 無難かもしれません。 「ヒーターは危険なもの」という認識を持って、ヒーターを使う場合にはくれぐれも事故が起こらない ように気をつけておきましょう。 ヒーターには不良品、欠陥品もあります。お買い求めになったヒーターをそのまま信頼することなく 必ず使い始める前に亀さんのいない水槽で水温計を使って水温を計りながら正しく作動することを 確認しておきましょう!
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