かめさんたちの冬支度 4(冬眠と温度・冬眠とお目覚めのタイミング

冬眠ケースは作ったけれど、さて、いったいカメさんはいつ冬眠ケースに移せばいいの?
「ケースの中で元気にしてるかな?大丈夫かな?」心配で心配で、ついつい覗いてみたくなるけれど
覗いてもいいの?春が来ればどんなタイミングで冬眠を終えればいいの?・・・
きょんもぐちゃんのパパさまが、ご自身のご経験から得られた貴重なデータを元に、そんな疑問に
お答えくださいました。

冬眠を始めるタイミング
(アカミミなど水棲亀の場合)

 水温12℃
(※気温14℃前後)
一般的に書籍などで冬眠温度とされている水温.
カメさんがそろそろ今年も冬眠の季節だな〜と気付きはじめる”認識
水温
































  この時期、普段亀さんがいる「夏用ケース」等とは別に、平行して別途「冬眠ケース」
   を用意します。この、大容量の水やレンガなどの保温材の入った「冬眠ケース」は、
   冬眠を迎える亀さんにとっては、体調的にもありがたい「水温ゆっくり変化効果」が
   あります。(昼間、気温が高くなっても、なかなか水温が上がらない反面、
   寒い夜も、急には水温が下がらないように、温度を溜めていてくれます。
   そんな効果も手伝って、冬眠ケースの水温変化は「衣装ケース」よりも緩やかで、
   常に「その日の昼と夜の平均気温」付近を保ってくれます。)

  ★この「冬眠ケースの水温が、常に8〜10℃を下回るようになった頃」が、
  亀さんを「冬眠ケース」に移してあげるよいタイミングのようです★
  関東地方南部を例にとると、12月上旬から中旬ごろがおおよその目安です。
  11月末ごろに落ち葉を拾い、10日前後アク抜きをすればちょうどよいタイミングで
  冬眠に間に合います。

  この頃の夏用ケース内のの水温は一日の中で激しく変化します。
  最低2℃くらい〜最高気温12℃前後くらいの間を時々刻々激しく変化している状態です。
  (爆睡する水温と、そうでない水温との間を一日のうちに行ったり来たりしてしまいます。)
  ちょうどこの頃が、「(昼は温度が上がらず)ちょっと寒いなりにも水温はほぼ一定の
  冬眠ケース」の出番となります。

  
この頃の冬眠ケース内のほうの水温は夏用ケースの最低温度と最高温度のちょうど中間値付近、
  1日平均して一定に8℃くらいの水温を保っています。冬眠ケースの中は昼間は温度差が
  穏やかなので、カメさんにとっては優しく快適な環境です。


  冬眠経験のないカメさんの場合、初めての冬は冬眠ケースに入ることを嫌がる
  かもしれません。しかし、一度冬越しを経験すると、翌年以降は冬眠ケースを
  「冬の間の別荘」のように
覚えていてくれるようで、「そろそろ別荘に移る季節に
  なったんだね!」とちゃんと住み別けているような感じになります。
  (温度変化の少ない「冬眠ケース」の方を、亀さん自身が望んでいるようにさえ思えます。)

  (カメさんの様子)
  水温6〜7℃から12℃の間では、カメさんはよく「探検」や「脱走」を試みます。
  特に冬眠習慣のない最初の冬眠では「どうして、こんなに狭くて暗い所に
   閉じ込めるの?!出してよ〜!」という気持ちが伝わって来ます。
   飼い主の方も、毎日のように「たいくつしてないかぁ〜」と、ケースのふたを
   開けてやり、亀自身も人間がケースを覗いてくれることを喜んで待っている
  ような様子。そんなやりとりをお互いに楽むことができます。
  
逆に言えば、この時期は、毎日亀さんをチェックしても、亀さんへの負担はほとんど
  与えなくて済む時期でもあります。


水温6〜7℃

亀さんが「実際に爆睡を始める」か「起き出して遊ぶ」かの境目になる水温




理想的な
冬眠水温の
3〜5℃






   (カメさんの様子)
   水温が6〜7℃以下になるとケースのふたを開けても、亀の姿は見えなくなります
   そしてやがて冬眠ケースの水温が、コンスタントに3〜5℃に安定してくる頃
   (冬眠ケースに移して1〜2週間後)、亀さんにとっては理想的な冬眠水温の
   時期を迎えます。

   この時期の亀さんは落ち葉の奥底に、まるで潜水艦のように沈んで眠り始めます。
   時々、落ち葉の隙間から、可愛い「寝顔」を見ることはできますが
   あまりケースを開けて見ていると、起きてしまいます。
  
    この状態で容器のフタを開け、起こしてしまった場合のカメさんのパターンは・・・
     ・目をパッチリを開けて「うん、ぐっすり寝れてるよ♪」という伝達の仕種
     ・人間を鳥か何かに見間違えて、パニクって逃げるような仕種
    この2つが代表的です。

   この温度帯、このような状態のときには無理に起こして体力を消耗させてしまうことが
   ないよう、出来るだけ冬眠ケースを開けたり覗いたりしないように心掛けたいものです。
 
それ以下の水温










   気温が氷点下になるような朝でも、保温効果のある冬眠ケースは、落葉の発酵熱も
   手伝って、水温3℃前後を維持してくれます
ので、必要以上に心配はしなくても
    OKです。(冬眠ケースの水温はあくまでも「最高気温の最低気温の中間付近値」で推移
    しますので、昼間にある程度の気温がある日であれば、まず心配はいりません。)

  激しい冷込みが予想される夜などは、冬眠ケースを毛布等で被ってあげることなども
  効果的です。
  ※尚、関東地方よりも寒い地域にお住まいの方は、冬眠ケースを物置き等の
   「暖房のない屋内」に置くなど、別途対策が必要かと思われます。

  ※万一、水面に氷がはってしまった場合は、亀さんをあわてて急に温ためたりはせず、
   まずは氷をとり除いて「亀さんの息継ぎの経路」を確保してあげて下さい。
   (亀さんの体液は凍りにくく出来ていますので、まずは「息継ぎ」を最優先してあげます。)


亀さんが探検を試みる温度ゾーン(水温12℃以下、6〜7℃以上の状態)のきょんもぐちゃん達

※ 夏用衣装ケース内の水温と外気温の関係
  夏用に使用している衣装ケース等の水温=屋外室内問わず、周囲の気温よりマイナス2℃程度
  (水面からの蒸発熱の影響
だと思われます。あくまでも直射日光が当たらない場所での状況です。)

  屋外の日陰にある冬眠ケース内の水温=「1日の気温の平均値」より、ほんの少し低い程度
  (例:昼の最高気温が8度、夜の最低気温が2度→平均をとって4〜5℃)

  
 この法則が当てはまるのは衣装ケースなど比較的小さな水槽の場合で上部が開いていて
   水面が外気に直接触れているような夏用ケースの場合です。冬眠用ケースの中の環境は
   夏用衣装ケースの場合とは温度変化の特徴が全く異なります。

  冬眠用ケース内の水温と外気温の関係
    外気温に伴って普通に温度変化をする夏用ケースとは違い、容量も大きく断熱材に守られた
    冬眠用ケースの中の環境は、外気温の影響を直接受けにくく、緩やかにゆっくりと時間を掛けて
    温度変化をするような環境に変わります。さらに常にフタを閉めたままの状態の冬眠ケースの中は、
    水面からの蒸発熱の影響も少なくなるため外気温がケース内の水温に与える影響も少なくなり、
    水温=外気温マイナス2度の法則も当てはまらなくなります。
    冬眠ケース内の水温は外気温の影響をほぼ数時間〜半日遅れで受けます。そのことが、水温を
    その日の昼と夜の平均気温付近に落ち着かせることにも影響しているようです。さらに、落ち葉にも
    「発酵熱」的な保温効果があるようです。

   温度を見る際のポイント
   ★夏用衣装ケースで冬眠ケースへ移すタイミングを見計らっている状態の時:
     時々刻々変化するその時々の外気温の変化に気をつけ、夏用ケース内の水温は
     外気温マイナス2度であるということを目安にしましょう。これが夏用ケース温度です。

   ★冬眠ケースへ移した後:
    外気温マイナス2度の法則は当てはまらなくなります。
    冬眠ケースの中の水温は外気温とは異なり、変化はとても穏やかです。
    水温は常に昼と夜の平均気温あたりをゆっくりと推移していると心得ておくとよいでしょう。

冬眠を終える(冬眠ケースから出す)タイミング

水温6〜7℃をコンスタントに上回る頃
冬眠を始める時とは今度は逆で、保温力のあるレンガや落葉がある「冬眠ケース」では、昼間に外の気温が暖かく
なってきた日でも、なかなか水温は上がりません。
(夜間の寒い水温を、レンガ等がアイスノンのような保冷材の役割で保ってくれているため)
例え日中は晴れてポカポカ陽気の10℃前後になっても、 冬眠ケースの水温は4〜5℃前後で、亀さんは気持ち良く眠って
いる、なんてこともよくあります。つまり、まだこの時点では「冬眠を終える時期」ではないようです。

★しかしやがて、冬眠ケースの水温がコンスタントに6〜7℃以上を保つ時期が来ます。
この時が、亀さんが冬眠を終えるいいタイミングかと思います。★
(関東地方南部を例にとると、
3月末〜4月上旬が目安です)

この時期の亀さんは、昼間は眠らずに、ゆっくりと遊びはじめるばかりか、
カメさん自身が様々な仕儀で「そろそろ外に出たいなぁ♪」というサインを示してくれる時も多いので、
ぜひ観察していてあげて下さいね。
                                       By きょんもぐちゃんのパパさま

きょんもぐちゃんのパパさま貴重な体験談とデータのご提供ありがとうございました。
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