<2020年・くるみの産卵レポート>
2020年夏、10歳を迎えたミシシッピアカミミガメ・くるみの産卵の様子をレポートします。

5月下旬
少し前から、食べる餌の量が減る、屋外に進んで出て行って日の当たる場所で長時間身体を温める・・・など
産卵準備と思われる様子が見られるようになったくるみでしたが
5月下旬のある日の朝、起きて行ってみると、水場から飛び出してきたくるみが床を掘っていました。
本格的なたま活の始まりのようですが、冬からずっと気温が高かったせいでしょうか、いつもと比べると
2週間ほど早かった気がします。

くもすけが過ごす衣装ケースが入った段ボール箱を
登ろうとするくるみ
ふだんは自ら進んで外へ出ようとすることは
絶対にない臆病なくるみですが、産卵の季節だけは例外です。
毎年たま活が始まると真っ先に
向かうのが
ベランダにあるオリヅルランが植わった
この鉢です。
たま活が始まると決まって
昼間はほとんどこの鉢の上で
過ごすようになります。
ここを何度も登ったり降りたり・・・

しかし、今回はあまりに何度も何度も登り降りし過ぎて
オリヅルランの葉っぱがやがてほとんどなってしまいました。

かろうじて生き残っていたオリヅルランの小さな株は
別の小さな鉢に植え替え、安全な場所に置いて
来年の産卵シーズン用に育て直すことにしました。

その代わりに
茂りすぎていたミントの葉があったので、
それを刈り取って
オリヅルランがあった鉢の上へ
載せてみましたが
鉢に根が張っていないせいでしょうか
こちらにはそれほど興味は持ってくれません。
その後、この鉢にはあまり登って来なくなくなりました。
6月15日






この日からくるみは休息期間に入ってしまいました。
今年一回目のブレイクタイムです。
しばらく餌も食べずに活動していたので
疲れたのでしょう。
餌も毎朝しっかり食べるようになりました。

外の日の当たる場所へ行って
のんびり日光浴をしながら
くもすけと並んで
身体を温めています。
6月25日
あまり動き回らなくはなりましたが、くるみはやっぱり落ち着きがなく時折ソワソワしています。
この日は梅雨空で寒かったにも関わらず、少し開いていた窓の隙間からベランダへ飛び出して行ってしまいました。
そして、くるみが向かった先はここでした。
オリヅルランはなくなって空になった
例の鉢ですが
上に座って落ち着いていました。
6月27日
そして、この日は早朝からまた水場を飛び出してくるようにもなりました。
2週間足らずの休憩を経て活動復活です。床も掘り始めました。餌をやってもあまり興味を示しません。
ベランダへ出て行ったくるみ。
しかし、お気に入りだったはずのあの上の鉢にはやはり興味を示さなくなりました。
鉢からお気に入りのオリヅルランが消えてしまって何も植わっていないのが気に入らないのでしょうか。
鉢の上に座っている姿は見なくなりましたが、その代わりに、水場用のプラスチック容器の中にいる姿を
見ることが多くなりました。

そして、やがて新たなお気に入り場所が見つかりました。ホテイアオイがたくさん浮かぶ陶器の鉢です。
入るのに多少苦労する鉢ですが、失敗して時々ひっくり返りながらも、何度も何度も出たり入ったりして
毎日ほとんどの時間をこの中で過ごすようになりました。
鉢の中ではあまりにも楽しそうに、満足そうに過ごしているので、”たま活”のことはもう忘れてしまったのかと思うほどです。
ホテイアオイについた巻貝のような小さな貝を食べているのか、葉っぱや浮き袋にパクパクと噛みついています。
オリヅルランに続いてホテイアオイの葉っぱもなくなってしまいそうに。

家の中ではパリパリと音を立てながらポリ袋にじゃれついています。
感触が気に入っているのか、音が気に入っているのか、何時間でも夢中になってじゃれついています。
7月17日
次の大潮も近づき、そろそろ産卵かと思っていた矢先、
またまた活動がピタリと止まってしまいました。
2回目のブレイクタイムです。


急に動き回ることがなくなり
日の当たる場所で
のんびり日光浴をしながら
身体を温めるようになりました。

今年の梅雨は記録的な長雨。
カラリと晴れる日はほとんどなく気温も低めです。
こういった気候が産卵に適さないのでしょうか。
朝、水場の容器から出てくることも全くなくなり、まるで産卵が終わったかのように、急に餌を大量に食べる
ようになりました。エネルギーの補充期間とはいえ、これほどたくさん食べるということは、それほどたくさんの卵
は持っていないのかもしれません。
7月27日
2〜3日なんとなく落ち着きがないと思ったら、早朝、久しぶりにまた水場から飛び出してくるようになりました。
その後ベランダに出たり入ったり・・・
10日ぶりの活動再開です。
ホリホリはまだしていませんが、やたら身体を温めたがっています。
梅雨空が続いて気温が低いので、産卵には熱が足りないのでしょうか。
8月1日
8月に入ってやっとのことで長かった梅雨が開け、急に夏らしくなりました。
くるみは活発に活動しています。
昼間は暑いのかベランダの日陰でまどろんでいますが
活動範囲はこれまでより広くなり、活発。
くるみは”産卵の機が熟してくると活動が鈍りはじめ、行動範囲が狭まってくるのが通常なのですが
そのような雰囲気はまだ全くありません。
植物が根を張っていない鉢は気に入らないのかも、と
ミントが植わっている鉢を
くるみの産卵のために与えることにしました。

まずはくるみをこの鉢の上へ乗せて
ここにこんな鉢があるよ、ということを
教え込みました。
すると、それ以降、ここへ登っている姿を目に
時々するようにはなりました。

活動再開以来、今までに経験したことがない様子がひとつ見られました。
くるみはたま活中も夕方になれば部屋に戻り、翌日の早朝までは水の中で眠るのが通常ですが
今回は夜になっても部屋に戻って来ず、夜になっても活動が続いています。
寝床の水場に戻して暗く静かにしても、眠らずに、暴れてすぐ出てきてしまいます。
そしてベランダへ行こうとします。仕方ないのでこの日、初めて朝までベランダで過ごしてもらいました。
8月4日
大潮がはじまりました。しかも、この日は満月。
気温も高くなって産卵の条件は最高に整っているように思えましたが・・・・
当のくるみにはまだ期が熟したような感じはなく、動きは機敏。忙しそうにあちこち走り回っています。
やはり夜になっても部屋に戻らず、外からは夜中じゅう、ガサガサという音が聞こえてきます。
8月6日
午後、かつてオリヅルランが植わっていた
土だけが入った鉢に登り、前足で土を掘っていました。
顔も甲羅も土まみれになりまがら
土の中に顔を埋めるようなしぐさをしています。
真剣な顔をしています。

もしかして?とかなり期待しましたが、
しばらくすると鉢から降りてきてしまいました。

後で確認すると、卵はありませんでしたが
土はふわふわに耕されていました。
この後、行動範囲は徐々に狭まり動きも鈍ってきたので
産卵の期が熟してきたのか、それとも再度休憩に入るつもりか、のいずれかだろうと思っていたら・・・

8月7日
残念ながら”産卵”の方ではなく”活動休止”の方でした。
今年3回目のブレイクタイム?それとも今年は産卵がないまま産卵活動は終了でしょうか?

その後のくるみはまるで卵を産んだ後のような食欲。
爆食ぶりに、もしかしたら気づかないうちにどこかに産んでいるのではないかと思い
数日前にくるみが掘り返していた鉢の土を掘り返してみたり、卵がどこかにが落ちていないか
ベランダ中を探しまわったりしましたが、どこにも見つかりませんでした。

経験上、このくらいの時期になって暴れたり土を掘ったりするようなことはないように思うので
いつもは産卵が終わった後にするベランダの掃除も済ませました。
ただ、卵を今年まだひとつも目にしていないのでスッキリ感がありません。
9月5日
以降、すっかり秋モードになってしまったくるみ。冬に備えて爆食する日が続いていました。
あとは甲羅がペロリと脱皮した後、秋の深まりとともに徐々に食欲が落ち、冬眠に入るだけだろうと思っていましたが
それでは終わりませんでした。
この日の朝、水を替えしようとしたら水がいつもの茶色とは違って真っ白に濁っています。油のようなものも浮いています。
水を流してみると、
容器の底から白くてドロ〜とした
卵の白身のような物と
殻のかけらが出てきました。


早朝、あるいは夜中のうちに
水中に産卵して
食べてしまったようです。

こんな状態なので
何個産んだかはハッキリわかりませんが
水の濁り具合と沈んでいた物から考えると
おそらく1〜2個程度ではないかと思います。

9月8日
そして、またまた朝水を変えようとすると
水はご覧の通りの乳白色。
水中からはやはり卵1〜2個分の卵の殻が出てきました。

水はかなり油っぽくなっているので
くるみの甲羅は石鹸で、容器は食器用洗剤で
ゴシゴシ。
水中に卵を産んだ後の水替えは普段以上に
手間が掛かります。

くるみにはレプトミンと鯉の餌以外与えていないのに
卵にこんなに油分が多く含まれているのは驚きです。
かめみはお盆の頃以降になると産卵活動はしなくなり、残り卵を少量ずつ何度にも分けて水の中に産卵するようになって
いましたが、今年のくるみの産卵もそれと同様のパターンのようです。
9月14日
これで終わりかと思っていたら
その6日後の朝。同じようにまた水中に産卵。殻の残骸からすると、おそらく1個です。
9月15日
さらに・・・

翌朝は水はきれいでした。
が、餌を与えた後に水を換えて
1時間ほどしたころに見ると
水がまたこんな風に白濁していました
今回は
すでに餌をたっぷり食べた後だったので
お腹がもう満たされていたのでしょう。

水の底には
バラバラになった殻の破片ではなく
一部だけ齧られ、黄身が見えた
こんな状態の卵が1個だけ落ちていました。
9月18日
そして、この日の朝も水が白濁。
9月19日
次の朝も、また白濁。

この日は
夕方にもまた水が白濁しているのを
発見しました。

水を流してみると、
齧られた後のこんな卵が出てきました。

食後に産卵した時は
卵の食べ方が控えめです。
9月23日
これで今年の産卵はもう終わりかと思っていたら、この日の朝にもまた水が白濁。
8回目の産卵です。これまでに少なくとも8個の卵を産んだことになります。
9月28日
8回目の産卵から5日経ちました。以降、産卵はないので今年の産卵はこれで終了だと思っていました。
今日は久々の秋晴れ。午前中ベランダで日光浴をさせました。
くるみは
気持ちよさそうに
日向で足を延ばして
日光浴をしていました。

それで、一時間ほどして
再度様子を見に
行ってみると・・・

水連鉢のスタンドの下に
移動して日光浴をして
いるくるみの
しっぽの少し先に
卵がひとつ落ちています。
日光浴をして身体が温まったので
卵を産んだのでしょうか。

9回目の産卵。
これで少なくとも9個の卵を
産みました。

今年の産卵は
これでもう終わりでしょうか?
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