<2013年・くるみの産卵レポート>
2013年夏、満3歳のミシシッピアカミミガメ・くるみが初めて卵を産みました。以下はその時のレポートです。
7月19日 |
このところ、いつもより食べる量も減って、出せ出せと朝早くから衣装ケースの中で大暴れを するようになっていたくるみ。近ごろ妙に和室に興味を示して入って行くようになったと思って いたら、この日、和室からガリガリと音がl聞こえ始めました。なんと!くるみが後ろ足で畳を 掘っています。在りし日のかめみがやっていたのとまったく同じ仕草。懐かしい光景です。 しかし、くるみは2010年6月生まれで、まだ満3歳になったばかり。甲長は18p、体重は 1100g足らずで、まだかめみの約半分ほどの重さです。成長がわりと早かったと思って いたかめみの初産卵ですら4〜5歳でしたから、さすがにくるみは産卵にはまだ早すぎると 思っていました。雌の亀は、成長過程でホルモンの影響を受けて、まだ産卵前の亀でも 産卵もどきの行動をすることがあると聞いていましたので、くるみもきっとそれに違いないと 思いました。 とりあえず畳をボロボロにされないようにと、かめみのときにやっていたのと同じように 畳の上に新聞紙を敷きました。産卵の仕方には初産卵のときの経験が影響して、そのときの 方法が後々習慣になってゆくこともあるようですから、初経験はとても大事。
産卵の仕方にも個性の違いが現れて、これは彼女のやり方なのでしょうか?産卵時になると 屋外に出たがって、土を掘ろうとしていたかめみとは違い、くるみは屋外には全く興味を示しません。 活動の様子がかめみのときとは全然違うため、長年かめみを通じて経験してきたことが そのまますべて役に立つわけではないため戸惑いも感じます。 奇妙なことに、くるみは掘る仕草をするとき、まず前足で床面を掘るような仕草をして 何かの下に潜って、身を隠してからガリガリしたがります。これは臆病な彼女の性格の せいなのか、それとも、少し低めだったこのところの気温のせいなのか・・・ そういえば、何かの下に潜ろうとするしぐさは、秋口など、気温が下がり始める時期にもよく 見られるしぐさ。人間には涼しくて心地よいと感じられる気温も変温動物であるカメには低すぎる ということはよくあることです。特に産卵時期の亀にとって熱は人間が考えている以上に 大切です。 畳をほり始めて数日経って、活動がなかなか治まる気配もないので、低温が原因の 卵詰まりも気がかりで、産卵活動が落ち着くまで、念のため気温が低い間だけ、 夕方から朝までだけ過ごしている衣装ケースにヒ−ターを使ってみることにしました。 ヒーターは少し高め、30度以上に設定しました。くるみはそれまでよりリラックスして 喜んでいるように見えました。 |
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7月26日 |
ヒーターを使い始めた翌日、くるみが物陰に隠れてじっとしています。床を掘ろうとして いる様子はありません。もしかして卵を産もうとしているのかな、と思い、 すぐにお座敷時用の水場容器に40度くらいのお湯を入れて、そこへくるみを戻して みました。すると・・・水の中で、後ろ足を穴を掘るときのように動かし始め、やがて 尻尾の付け根がふくらみました。総排泄口を見ると卵が見えていました。 そして、間もなく続けて2個の卵を産みました。
以降、くるみは暴れることも、和室に関心を示すこともなくなり、食欲も戻ってきました。 産卵が始まったとはいえ、3歳になったばかりでまだ育ちざかりですから、今はまだ産卵 よりも身体を大きく立派にすることのほうにエネルギーを使いたいのでしょう。2個たまごを 産んだあとは、産卵の気配は全くなくなり、すごい勢いで餌を食べるようになり、またどんどん 成長をし始めました。 かめみが突然天国へ旅立って行ってしまってから丸3年。わが家での産卵はしばらく お休みだと思っていましたが、こんなに早くまた産卵を経験することになりました。 来夏からは本格的に産卵が始まりそうです。 |