座敷亀”ってなぁに?

みなさんにとって”座敷亀”というのは、あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、お部屋の中で放し飼いにしている
カメのことです。

ちっちゃくて可愛いから、と思って飼い始めたカメもいつの間にか巨大化して、こんなはずじゃなかった、ということに
ケージもどんどん窮屈になってしまいます。大きなカメを身体に合わない小さなケージに閉じ込めたままにして
おくのはあまりにも可哀想。かといって、成長にあわせてケージをどんどん大きくしてゆくのも家庭ではかなり大変です。
水槽が大きくなると毎日の水換えも大変。面倒だからという理由で水換えの頻度が下がるということにも
なりかねません。そんなとき、お勧めなのが”お座敷座飼育”です。大きな水場も必要なく大きなカメでも楽に
飼うことができます。

じつはわが家でも、カメを部屋に放すようになったきっかけは、やはりカメが大きくなりすぎて窮屈なケージを
嫌がって暴れ始めたからでした。
そしてその後、わが家では長い間、大きな水槽を使うことなく大きなヌマガメを
飼育し続けてきました。


大きくなり過ぎて家ではもうお手上げ状態だし、そろそろ公園の池にでもそーっと捨てちゃおうかな〜、なんて
考え始めているみなさん!ミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)など外来種の水棲亀を池や川に放すことは、
「亀を野生に戻して」あげているのではありません。それどころか、外来種のカメを日本の野生に放してしまうと
日本の自然の生態系を乱すことになってしまいます。これまで、あまりにも多くの飼い主さん達がペットとして
飼育されるために輸入されたはずのミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)を野生に放してしまったため、
何の罪もないアカミミガメ達は世間から悪者のように扱われるようになりました。そして、アカミミガメは
特定外来生物に指定されてしまいました。輸入も飼育も規制されることになり、池や川に放されたカメは捕獲
されてしまいます。ですから、お世話が大変になったから、とても飼いきれなくなったからといって
池は川に放そうなんて考え、みなさんは絶対に持たないでくださいね。みなさんのお家にやってきたカメさんは
世界に2匹といないかけがえのない存在です。どうか最後まで責任をもって、大切に育ててください。

そして、飼いきれないほど大きくなってしまったカメさん達と、これからもなが〜く一緒に暮らしていくための
アイディアのひとつとして提案しているのがお座敷飼育です。家族の一員としてカメさんと生活空間を共有するように
なると、今までは気付くこともなかったカメが持つさまざまな魅力を発見でき、これまで以上にカメが可愛く
感じられるようになること間違いなしです。カメは寿命長いので長〜く一緒に暮らすことができます。
犬や猫と同じように、立派なコンパニオンアニマルにもなってくれます。

もともと、カメを飼いたいと思ったことなど一度もなくカメへの興味も一切なく、仕方なくカメを飼うことになって
しまった私。そんな私が飼育にかける手間暇はできるだけ省きたいと思っているうちに気がつくとこんな風に
なってしまっていたという方法がわが家の飼育法。カメ好きではなかったからこそ考え付いた究極の手抜き飼育法
ですから、それだけに全然無理のない飼育法です。
飼育器具をしっかり揃え、じゅっくり手間をかけて飼育するのもひとつですが、あまり手間暇はかけたくない、という
私みたいな方にはお勧めです。

ただ、これだけは最低限守って欲しい大事な注意事項があります。
水棲亀は本来、広い池や川で生活している生き物だということを忘れないでください。水棲亀にとって「水」は
命ですから、水の外に出ている時間が長いと脱水症状を引き起こし、さまざまな病気の原因になります。
一度に外に出ている時間はできるだけ短く、お座敷亀をしている時は頻繁にお水に戻すようにしてくださいね。

                                                          (2024年6月21日更新)
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