ボランティアレポート・老人ホームへ   

細菌検査も済ませ、いよいよ活動参加することになりましたが、いざ行くとなるといろいろな心配事が。。。
まず同行してもらうことにしたのは、普段から外出にも人にも十分馴れているアカミミのかめみだけにした
のですが、果たしてかめなんかをボランティアになど連れていっても大丈夫なものかしら、
「気持ち悪い〜!」と嫌がられるのでは。。。
(私にとっては可愛いペットでも、かめみは「爬虫類」。しかも大きい。)

しかし、初めて訪問した老人ホームでそんな私の心配はすぐにどっかへ吹っ飛んでいってしまいました。
意外や意外!かめみはたちまちものすごい人気者。
お年寄りはもちろん、職員の方、さらに一緒に動物たちを連れて活動に参加しているボランティアスタッフ仲間の
方々まで、みんな「かめ見せて〜!」と大喜びでやってきて、かめみの甲羅に触ったり、抱っこしたり。
「かめは苦手、触るのは気持ち悪い。」とおっしゃる方でも怖いもの見たさでこわごわ甲羅に
触れてみて「かめに触れた!」と喜んでくださいます。
ほとんどの人が「こんなに大きなかめをこんなに近くで見たり、触ってみるのは生まれて初めて!」と、
大喜びでした。私にとっては嬉しい驚きでした。

ホームのお年寄りの中には、むかしお宅で飼っていらっしゃったかめさんやかめさんにまつわる想い出話を
聞かせてくださる方も。
長いあいだ可愛がっていたかめが、彼女が老人ホームへ入ったとたんに死んでしまった、と、寂しそうに話して
くださったお年寄り。
むかし外国に住んでいらっしゃった頃に、よく大きなかめ(ゾウガメでしょうか?)の背中に乗っていた、
という想い出話を涙をながしながら懐かしそうに聞かせてださった、ご夫婦。
(かめみから、そんなに立派な大きなかめさんを思い出して くださって私は感激!でした。)
かめみと視線が合ったことを喜んで、「誰も見てくれないこんな老人の顔をそんなにじ〜っと見つめてくれて
どうもありがとうね。」とかめみに向かってほんとうに嬉しそうにお礼を言ってくださった方。
終わりの時間がやってきても、かめみをしっかり抱きかかえたままいつまでも離そうとせず名残り惜しそうに、
何度も何度も「また来てね〜!」といってくださった方etc...
手触りもふわふわして暖かく、見た目も可愛いらしい動物たちならともかく、石のように固く冷たくて、
しかも見方によればちょっとグロテスクなかめみを、そんなにしっかりと抱っこしてもらえるなんて
感謝感激でした!)

かめの飼育経験があるとおっしゃる方は私が考えていたよりず〜っと多いようでしたが
かめについては詳しくご存知ない方がほとんどのようで、「餌は何をあげるの?」「この子は女の子、
男の子?」「何歳くらい?」「どうして飼うことになったの?」「家ではどういう風にして飼ってるの?」など。。。
生き生きした笑顔で次から次へと質問が飛び出します。

かめといって思い出すのはやっぱり「浦島太郎」や「うさぎとかめ」などの童話ですよね。
かめ=童話の中の動物、というイメージをお持ちの方は多いようで、童話のお話がでることや、
「♪も〜しも〜しか〜めよ・・・」と自然とどこからか歌が飛び出していつの間にか大合唱になってしまうことも
ありました。そういえばかめは鶴と並んで長生きする縁起の良い動物の代表ですね。
そういうこともかめみの訪問が大歓迎された一因だったのかもしれません。

「動物ふれあい活動」への参加は、私にとってはかめさんを通じて多くの方とふれあうことができ、
心ゆたかに、そして優しい気持ちにしてくれるとても大切な機会でした。
こんなに素晴らしい機会とたくさんの感動を私に与えてくれたかめみに感謝の気持ちでいっぱいです。


だけど、かめみの方はボランティアに連れて行かれることにはちょっと迷惑だったご様子。

ボランティアから帰宅した彼女をケージのそばまで連れて行くといつも決まって「早く手を離してちょ〜だい!」
といわんばかりに強引に私の手を激しくし振り払って猛スピードでごろごろと転がり落ちるように
ケージの水の中へ。 ご苦労さま!&ありがとう! かめみちゃん。

その後、私たちは転居により、ボランティア活動には参加できなくなってしまいました。
残念ながら犬や猫と違って、かめの場合は活動させてもらえるところがほとんどないというのが現状。
今後、かめさんのことがもっともっと理解されるようになり、かめさんたちの活躍できる場もどんどん増え、
ボランティアで活躍するかめさん仲間もたくさんできればいいんですけれどね。
                                         


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